題肢セットのいろいろ⑪入口と出口

「入口と出口」という構造も題肢セットの典型のひとつだ。

例1: 題:首都高霞が関で入った、どこに出る?
1:空港中央(羽田)
2:豊中南(大阪)
3:別府(九州)
4:五所川原北(青森)

例示した「高速道路の入口と出口」は、何のひねりもない「そのままの入口出口」だ。 入口に立った時、出口を考えていなければならない。 非常事態からの避難のために、宿泊するホテルの部屋から使える出口の優先順を考えることも同じ、、、。デパートや学校、高層ビルの建物にも、駅や空港、工場や遊園地などの施設にも、私たちが入口出口という言葉を使うあらゆる場所に、このタイプの題肢セットが自生している。

例2: 題:結婚の出口は、どこ?
1:別居、離婚
2:紙婚、真珠婚、銀婚、金婚
3:死別

これは、行きつく先・たどり着く先を、いったんのエンドポイントとして仮構してみるというタイプのものだ。 仮構される選択肢が肯定的なものになるか否定的なものになるかはいろいろだ。 エンドポイントは仮決算の期限という意味であって、最終決算ではない。そういう意味で、出口も本当の出口というより、仮の出口だ。

例3: 題:勉強して、どうしようというか?
1:大臣か、博士か、大将か、おお金持ちになる
2:外国に出て、世界の最先端のことをやる
3:いい女を嫁にもらう最低の条件を整えるためだ
4:自分の能力を魅力的に磨けば、チャンスは無限だ
5:将来をのんきに楽して過ごすため
6:あほばかの無教養と言われるより、よっぽどいいんじゃないの
7:勉強せずに遊んでいた人を、あとになってうらやましくおもうため
8:どうするかはわからない。何をするにしても、勝つ準備は必要だ

勉強の出口を考える例をあげたついでに、学生を終えて仕事に就く世代の人たちのために、おせっかいを、、、、。 「遊び、友達選び、進路、就活、研修、配属、慣れ、ストレス、愚痴、達成感、自己満足、人との摩擦、誘惑、つまずき、意欲、野心、、、、。」 ここにあげた大小の人生局面の言葉のうしろに「その出口は?」とつけてシミュレーションしてみること。すこし何かが見えると、イイネ。

例4: 題:北朝鮮の現体制、どこにたどり着く
1:崩壊
2:繁栄
3:あのまま

起きていないことは起きてみるまでわからないから、「社会の出口」をテーマとする題肢セットはどれをとっても、占いや予言者のタワゴトとみなされる運命にある。 そういうタイプのテーマの選択肢を考えるとき、ひとは自分の期待に引きずられたバイアス思考を行なう。バイアスが生じる根本原因が、壁のシミに意味を見つけるロールシャッハテストの心理現象でも、強い思い込みの信念モデルでも、プロスペクト理論でもよいが、そのテーマの出口解として提示された選択肢集合の全体が特定のバイアスに支配されているのはまずい。もしそうなら、それはプロパガンダや自画自賛であって、選択の自由をそこなうものだからだ。 コーラとサイダーとキリンレモンとラムネが用意されていても、これは「ガス入りの砂糖水だけが用意された」のであって、「お茶やコーヒーやフルーツジュースを含む多様な飲み物が用意された」ことにはならない、、という話はあちこちでとりあげられている。

バイアスのない選択肢集合を実現するためには、そこにある選択肢の「否定形」と「中立形」を、必ず考えなければならない。

「トンネルの出口が見えない」とか「懸案の落としどころをさぐっている」といった表現に示唆されるような状況も、題肢セットの題そのものであるので、こういうお堅いテーマも、入口出口タイプの題肢セットとして収集してきたい。

所長 の紹介

選択肢研究所の所長です。
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