題肢セットのいろいろ⑤現状と次に生起する事象

「現状」を題とし、「次に生起する事象」を肢とする題肢セットも、選択肢の典型のひとつとして、力を入れて収集したい。

思うに、選択肢とは、そもそも、「次何」が初源なのではないか。

次何?

つぎ、なに? と読むことにしているが、もっと短縮して、特別な秘密の記号でもあるかのように、<strong>ジカ</strong>と呼んでもいい。

例1: 題:野球ノーアウトで1塁にランナーがいる。つぎに、何が起きるかと思うか?
1:ランナーの盗塁
2:ヒットエンドラン
3:おくりバント
4:牽制球で1塁ランナーがアウト
5:隠し球で1塁ランナーがアウト

対戦スポーツの選手たちは、次何の感覚のなかで生きている。次に何が起きようと体がついていくようトレーニングを積む。無意識の中で反射的に正しい選択ができるように。

我々はいま、選択肢を言葉で定着させる作業を行っているが、言葉をもつ以前の古い古い昔から、人類は、次何を頭の中にみなぎらせてきた。原始の昔、猛獣が獲物を追って疾駆していくのをドキドキしながら岩陰から見つめながら、自分にやってくるチャンスを待ち続けているとき、頭の中にあったのは、「次何」だ。 ・自分に手の届く獲物が現れないか。。 ・猛獣が戻ってくる危険はないか。。 ・突然のスコールが来て、涸れた川に鉄砲水がでないか。。 ・空から、巨大な猛禽が襲ってこないか。。

この瞬間と、次の瞬間。 いったい何が起きるのか? それが起きれば、どうすればよいのか?

油断すれば命を落とす危険な時代、全身をセンサーにして「次何」を受信し続けたものだけが生き延びることができただろう。

我々の住む文明社会は、「この瞬間と次の瞬間」という切迫性だけでなく、「今と明日」「今と来年」という長時間の見通しのよさを求めている。

例2: 題:専務に呼ばれた部長が深刻な表情をして帰ってきた。つぎは何が起きる?
1:今日中に、部下の誰かが叱責される(自分の可能性もある)
2:退社時間になったら、居酒屋に誘われる(愚痴を聞かされるか)
3:近いうちに、部長は左遷される(次はだれがくるか)
4:直近の役員会で、部長は役員に抜擢される(苦虫潰した表情だが内心はご機嫌)
5:次の組織改革で、廃部か、他部との合併になる(自分もリストラ?)

自分が巻き込まれる次の事態をすべて考え抜くのはむつかしいものの、確かな想定にたどり着く前にはいろいろの可能性を検討することになる。野球のバッターが、直球なら打つ・変化球なら打たないと戦略を決めるように、それぞれの可能性ごとに現実の行動を待機させることができる。 想定ごとのシミュレーションによって、選択肢が生起する。 あなたが何の影響をおよぼすことのできないことがらでも、それがあなたにかかわってくると想定することで、あなたは行動の選択肢を準備できる。 脳空間の中、次何は選択肢に直結している。次何タイプの題肢セットは、例2のように、パターン化しにくい一回限りの事例も多い。そうした事例は、状況をどのように想定するかという、かっこうの参考である。

所長 の紹介

選択肢研究所の所長です。
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