選択行動の現実

いろいろな選択肢が用意されていても、現実には合理的な選択行動がままならないケースがある。以下に、6つの類型を挙げてみよう。

■類型1: 選択するヒトは、選択行動をとる前に、選択肢のひとつひとつがもたらす結果を予測する。 その予測値を、他の選択肢について行った予測値と比較して、第一選択肢を決断したり、消去法で除外するものを決めたりする。

ところが、選択肢のもたらす結果を予想できないとき、合理的な選択は不可能になる。 1)その選択肢の損得がはっきりしない。 2)その選択肢を採用した場合のリスクがはっきりしない。 3)その選択肢の定義そのものにあいまいなところがある。 4)その選択肢には、さらに細かい選択肢がある。 といったようなケースだ。

■類型2: 利害が絡み合い、あるいは、相手がどう出るかでこちらの態度を決めるのがよいのだが情報不足で相手の意図がわからないときのように、不完全情報を基に選択決定をしなければならないとき、合理的な選択に難儀する。

1)じゃんけんのように、各選択肢の利害が絡み合っている。 2)こちらも相手も駆け引きするときのように、各選択肢の結果の予測値が1局面進むごどに変化していく。 3)その変化のプロセスを管理することで最終的(エンドポイントにおける)予測値を見積もろうとする。 といったようなケースだ。

■類型3: 選択行動そのものを制約してしまう、顕在的潜在的なことがらが存在しているとき、自由に基づく選択行動は不可能になる。制約を打ち破る行動をとるときに受けるであろうストレスや不利益を回避しようとする。

1)他人の目を気にする。 2)空気を読んだり、先方を慮る。 3)特定の選択肢を勧めてくる他人に、さからえない。 4)それを選べばその社会の徳目に反すると糾弾をうけるとき、ビビる。 といったケースだ。

■類型4: そもそも、そのテーマについて、必要十分な選択肢が整っていない、というケース。

■類型5: 選択行動を行うときの心的過程にそれまでの予測行為とは別の事象が影響を与えてしまうことがある。 そもそも無防備で素朴なひとは、厳密に合理的で合目的的なひとに比べ、 1)衝動買いをする。 2)ズルをしたくなる。 3)プライミング効果に引きずられる。 4)だまされ、誘導される。 傾向が強い。

■類型6: 限定された選択肢の中で、「最適の選択」ではなく、とりあえず「満足」「自己満足」するような選択行動。

1)いま手中にある選択肢以上のものがなさそうだが、それでも何か足りないかもしれないという心的シグナルが働く。
2)意識的であれ無意識的であれ、最初から条件をつけて整備した選択肢ばかりだった。

パーティで係りのひと:「たくさんの種類のおのみものをご用意いたしました。どうぞご自由にお選びください」
客:「コカコーラ、ペプシコーラ、サイダー、ペリエ、ラムネ、ノンアルコールのビール。これが、飲み物を自由に選べるってことなの? ガス入りの飲料しかないのに?」

所長 の紹介

選択肢研究所の所長です。
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