選択肢研究の方向感②題肢セットの収集というフィールドワーク

世界にはどれだけ「題肢セット」があるのかという素朴な疑問は、私の中では、世界にはどれだけのバクテリアが生息しているのか、というイメージに重なっている。

どんなイメージかというと、、

http://www.nikkei-science.com/page/magazine/201210.html

日経サイエンス2012年10月号の表紙

これはヒトのバイオーム(細菌叢)のイメージ図だ。 バイオームとは、ヒトは丸いのや四角いのや長いのや細いのやあれこれに囲まれて、彼らの働きによって助けられ生きている。地球が大気圏をもつように、ヒトはバイオームをスフィア(圏)としている。この雑誌を読むとその具体的な実態がよくわかる。

選択肢も、細菌叢のようにヒトの周辺にいつも浮遊して「選択肢叢」になっている、というイメージである。

いうまでもなく、選択肢叢がある場所は(物理的な空間ではなく)脳空間の中だ。 それを収集するのが、選択肢研究所のもっとも重要な任務だ。 植物の研究者が草や花や木を収集し、昆虫の研究者がムシを集めるのとおなじことだ。 選択肢の研究で集めているものは、アンカリングされた題肢セットと、アンカリングされずに浮遊する選択肢と、まだ選択肢がひとつもない題だ。 1番目を集めるのはじつに標準的な収集作業だ。 2番目と3番目を集めるのは、相互にマッチングさせて、題肢セットを仮構できるかどうか検討するためだ。この作業で、いままで見えていなかった題肢セットが改めて「見える化」されることがある。

選択肢の収集作業は、人々の頭の中にあるものを言語化してもらい、それを記録していく作業だ。旅行がままならぬ時代に全国各地をまわって民話民俗を収集するフィールドワークに励んだ碩学の労苦を思えば、インターネットを使える時代は本当にありがたい。ひとことで題肢セットを集めるといってもかなり難儀な労力が必要なのだが、生活と社会のそこここに自生している題肢セットを収集し後々にはそれを素材として分析することで、生活や社会の質を、主体的に考える際にも社会的に客観的に論ずる際にも良い材料になるに違いない、と信じることで、これに携わる希望のよすがとしたい。

 

所長 の紹介

選択肢研究所の所長です。
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