もうすぐ、カントの誕生日にちなんで

選択判断の根底の原則は、カントの定言命法がよいだろう、と思います。

カントの定言命法というのは、 『あなたの意思の格率が常に同時に普遍的な立法の原理として妥当しうるように行為せよ』 です。 まあ、むつかしい言葉で、これに関するあれこれの理解は、ここが日本の総本山と聞いていますが、ネットでK416という方がカントを概説した本から引用したよくまとまったメモをみつけたので、ちょっと長くなりますが、それをまたびきさせてもらいます。

元の本:「カント―わたしはなにを望みうるのか:批判哲学 (入門・哲学者シリーズ 3) 作者: 貫成人 出版社/メーカー: 青灯社」

//////////////////////////またびきの始まり K416さんがつくった引用:

 

 カントによれば、そのつどの状況においてどのような倫理的規範を選択し、その結果、どのような行為を選択しようが、それは行為をする本人の自由であり、行為の選択は行為主体にゆだねられる。そのように各自が自分の行為の指針として選択する倫理的規範のことをカントは「格率(Maxime)」とよぶ。その人生において、あるいはそのつどの状況において、どのような格率にしたがうかは本人次第である。ただし、その際に、ひとつだけ守らなければならない原則があるとカントは考え、それを「定言命法」とよぶ。(pp.112-3)
 「命法」とは、倫理的原理、倫理的義務のことであるが、そのなかでも「定言命法」とは、無条件で守らなければならない倫理的原理である。とはいえ、倫理的規範、原理とされているものの大多数は、必ずしも無条件で守らなければならないものではない。(中略)こうした条件付きの命法のことを「仮言命法」とよぶ。(pp.113-4)

 仮言命法は倫理の最高原則とはなりえない。なぜなら、仮言命法は条件付きの命法であるため、その条件を受け入れるひとに取ってしか拘束力はないからだ。(p.114)

 逆に、最高原理であるためには、無条件の命法、条件の如何にかかわらずだれもが必ず守らなければならない命法でなければならない。それが定言命法だ。

 どのようなものなら定言命法でありうるのだろう。カントは、定言命法について三つの定式を挙げている。(pp.114-5)

 第一は、「汝の意志の格率が、常に同時に普遍的立法の原理となるように行為せよ(その格率を自分だけでなく、他のあらゆる行為主体が選択しても構わないかどうかを常にチェックせよ)」というものだ。(中略)格率の選択をする際には、その同じ格率を自分だけではなく、自分以外の全員も選択したとき、なにか困ったことが起こらないかどうかを検討してからにしなければならない。(中略)

 この原則を言い換えれば、「自分だけ得をするのはいけない」「自分だけ損をするのはいけない」ということでもある。すなわち、エゴイズムの否定だ。カントは、道徳が脅かされる唯一の元凶を「根源悪(Radikal Böse)」とよぶ。(中略)カントの考えるそれは、人間誰でももっている「自分を例外にする」傾向、すなわちエゴイズムのことである。(p.115-6)

 定言命法の第二の定式は、自分の利益ばかりを追求して、他人を自分の利益や目的達成のための手段、道具としてのみ扱うことを禁ずるものである。(中略)それは、極端に言えば、他人を奴隷にすること、他人の奴隷になることの禁止である。(中略)ここでも、結局、第一定式で言われていたエゴイズムの禁止が、対人関係という場面で繰り返されていることがわかる。(pp.116-7)

 第三の定式は、各人がそれぞれの目的を持って暮らしていることをお互い認知し、配慮しあわなければならない、というものである。(中略)カントの考えによれば、各人が自分の目的を追求しつつ、相互にリスペクトしあうことによって秩序ある共同体は成立しうる。そのときにだれかが自分や他人を例外あつかいするようなことがあれば、共同体成立の大前提が破壊されてしまうことになる。(p.117)

 定言命法の三つの定式は、あつかっている内容や言い方こそ、それぞれ異なっているように見える。だが、実際には、どんな場合においても、誰も例外となることなく、それぞれの目的追求ができるようにふるまうことが、場面をかえて奨励されているにすぎない。第一の定式は個人レベルでの事柄であり、第二の定式はそれを対人関係に、第三の定式はそれを共同体レベルに応用したものだ。(p.118)

 各人は、定言命法の三つの定式を遵守することによって、道徳的義務に違反することなく、自由に選択をおこなうことができる。(p.118)

///////////////////////引用とまたびきは、ここまで。

選択肢教育では、子供には、とんでも選択肢を選ぶことは自由だが、その選択肢を選ぶことで何が起きるかを考えることをきちっと教える必要があると思います。

これは、人間の社会とはどういうことかを教えることでもあるでしょう。

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イマヌエル・カント。(Immanuel Kant, 1724年4月22日 – 1804年2月12日)は、ドイツの哲学者、思想家。プロイセン王国出身の大学教授。

カントの生きた時代は、
フランスでは、ルイ15世 1715-1774 ルイ16世 1774-1792 フランス革命、ナポレオン皇帝即位1804の時代。
日本では八代将軍吉宗1716-1745 家重 1745-1760 家治 1760-1786 十一代家斉1787-1837の前半の時代。
中国では、雍正帝1722-1735 乾隆帝1735-1795の時代。清の最盛期。

 

所長 の紹介

選択肢研究所の所長です。
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