テレ朝の坪井とフジの伊藤

自民党の、「政治的な公平性を欠く放送」に対して電波停止という脅かしに、テレビ局がビビッている様子が、番組を見ているだけの視聴者にも感じられる。

 

テレ朝、坪井キャスターの朝の番組で、日銀黒田がやった「マイナス金利策」の解説のコーナーがあった。

解説の方向が疑問と批判に傾き、コメンテーターの中尾が自分は外国に引っ越すとコメントしたとき、もう一人のコメンテーターの岸がこの解説は間違ってると強く言った直後に、坪井キャスターは、岸の指摘に乗る形で、マイナス金利政策を擁護する発言をした。それで、マイナス金利に批判的な趣旨に傾きかけていたムードが打ち消され、番組としては、批判してるのかしていないのかわからないような、お茶を濁したかんじになった。

 

フジ、伊藤キャスターの夕方の番組で、ネットの話題を提供する係りの津田大介が、米政府がサイバーセキュリティ対策に力を入れるニュースを紹介した。

アメリカは190億ドルをサイバーセキュリティにかけるが、日本政府の年予算は750億円。と解説。伊藤が「なぜ、日米でこんなにちがうのか」と津田に質問し、津田は「アメリカは実業家のセキュリティ意識が高いが、日本の経営者はセキュリティの金をかける意識が低いため」とコメントした。伊藤はすぐさま、「日本でも経済界もセキュリティにちからを入れている」といったコメントを発言した。あきらかに、「日本の経営者がセキュリティ馬鹿そろいだ」というような印象を視聴者にもたせないための、発言だった。

 

上記のように、二日続けて、メインキャスターのバランス芸をみたので、印象深かった。

 

番組内で「公平性」というのは、「白」と言った後で「黒」と言わねばならないということらしい。これでは、意見や印象や意味や考察を番組に反映させることは不可能だろう。

だが、もうひとつ、日曜の朝、フジで、珍しいシーンをみた。米大統領選挙のコメンテーターで、二人のアメリカ人が呼ばれていた。一人は民主左派的な考えのパックンで、もう一人は共和保守的な考えのケントである。二人は、司会者の誘導にしたがいながらも、自分がどの候補者のどの政見にどういう賛否であるかを、対論してみせた。その結果、視聴者としては、大統領選の状況や今後の見通しのための視点のもちかたが、ひどくわかりやすかった。二人のアメリカ人は、視聴者が候補者の主張や個性の違いがわかるよう、的確に説明できていた。

 

どんなものごとでも両論ある。という主義は、極端な暴論というわけではない。

だが、番組が政治的公平性に欠けるなら、電波を取り上げるぞ、というのは、暴論だ。

政治的公平性に欠ける番組があるなら、次の時間に「政治的公平性をとり戻す」措置をすればよい。

懲罰はいらない。

訂正番組でよいのである。

 

 

所長 の紹介

選択肢研究所の所長です。
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